熟考の果てに。|Porsche 718 Spyder|PANORAMA CRAFT

718スパイダーはダウンサイジングの流れに逆らい、自然吸気4.0ℓとして生を受けた。その宿命は走ることだったに違いないが、カスタムポルシェ派はそれを許さない。バランスを高め、官能を呼び覚ますスタイリングに一同叫喚。

 

熟考の果てに。

自己満足が優先されるオーナーカーとは違い、ショップの作るデモカーには客観的な評価が求められる。それが機能重視のクルマなら、コースを何秒で走るかとか最高速が何km/hといった数字でカタが付くからある意味白黒つけやすいが、ドレスアップ系の場合はそうはいかない。高額パーツや有名パーツを使えば勝ちってワケでもないし、手数が多かったりハデならいいってモンでもない。それでいてカッコいいか悪いかの判断は、第一印象のコンマ何秒かで決まるのだから、ドレスアップ系ショップのみなさまは心労が絶えないに違いない。

だからこそ、千葉・パノラマクラフトが2021年のデモカーとした718スパイダーの完成度の高さには、心が震える。日本国内未導入の左ハンドル6速マニュアルという肩書きも強いが、最小の手数で最大の効果を発揮するタイヤ&ホイール、スプリング、リップスポイラーだけに的を絞ったモディファイ術がなんとも潔く、なおかつ心地いいからだ。

ホイールはアメ鍛ジャンルに属するブリクストンフォージドから、3ピースの新作CM5-Rタルガを選出。スポークの長さを印象付けるべくインチを21にアップし、ハイポリッシュ+グロスクリアのフィニッシュとすることで、アルミならではの光沢にわずかな翳りを落とす。加えてピアスとスタッドボルトにブラックの彩りを添え、ブリクストンとCR5-Rの削りロゴにはキャリパー同色のネオンイエローを差すという具合に、微に入り細を穿つ。バランサーとして取り入れたケイマン用リップとコイルスプリングも十二分に機能することで、718スパイダーをスピードオンリーのポジションから解放。新たに余裕あるオトナのための玩具の座を与え給えた。

ドレスアップのプロが熟考の果てに導き出した模範解答。これに勝る洗練など、ない。

 

足元を輝かせるブリクストンCM5-Rタルガ+ミシュランPS4Sのバディ。

 

センターキャップの外周をキャリパー同色にするセンスも。

 

PASMを生かして車高を落とすスプリングは、自社開発品だ。

 

 

Porsche 718 Spyder 2020年式|ホイール:ブリクストンフォージド・CM5-R(F:21×9.0 R:21×11.0)|タイヤ:ミシュラン・パイロットスポーツ4S(F:245/30R21 R:295/25R21)|足まわり:パノラマクラフトオリジナルスプリング、キャンバーアライメントシム、サンライズブルバード・リアトーコントロールアーム、ブレーキキャリパーペイント|吸排気:カーグラフィック・エキゾーストバルブコンローラー|ボディパーツ:ケイマンGT4純正リップスポイラー

 

eS4 No.91

価格:1400円

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掲載:eS4 No.91  2021年2月10日発売(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

<問い合わせ>

PANORAMA CRAFT(パノラマクラフト)☎0438-80-9255 https://panoramacraft.com

PHOTO>>NINA NAKAJIMA(中島仁菜)   TEXT>>AKIO SATO(佐藤アキオ/rsf)