ぶっ飛んでいて、何が悪い。|Lamborghini Urus|S&Company

費用対効果などと野暮なことは言わず、やりきったスーパーSUVが 不景気の風が吹き荒れる深夜の雑踏をぱっと明るく照らす。 純正で十分過ぎるほど“スーパー”なのに、それでも徹底的にやりきる。 そこにはカスタムというものに対する、飽くなき愛を感じる。

 

費用対効果など気にせず徹底的にやりきる美学。

メーカー自身が高らかにスーパーSUVだと謳うウルスは、確かにSUV界のスーパーカーなんだろう。動力性能に抜かりはない。むしろ世界のハイパフォーマンス戦線の先頭に立っている。その上でその高性能を隠すことなく、アピールしてこそウルスらしい。それを心底理解し、気持ちいいほど主張してくるウルスが深夜のストリートにたたずんでいた。それはコロナ禍の影響で底の見えない不景気に、風穴をあける希望のようだった。

いつも大胆不敵で、我々をアッと驚かせるカスタムを仕掛けてくるエスアンドカンパニーが作り上げたものだ。大柄な肉体をさらに拡張させているのは、ノヴィテック・トラドのESTESO(エステソ)というワイドボディキットによるもの。イタリア語で“拡張”を意味するらしい。でも単にサイズの問題ではなく、周囲を圧倒させまくるオーラこそが本当の意味でエステソなんだろう。まるで塗装品質のフルラッピングによって、グリーンにくるまれているところもいい。随所に差し色が巧く取り入れられたことで、一見では派手に思えつつ決して下品ではない、唯一無二のコーディネートだ。それにしても熱量の高いウルスをアースカラーっぽく彩るなんて、どこか風刺が効いているようだったりもして。

ちなみに、ワイド化にあたり新車の時点から臆せずフェンダーをぶった切ったという。スーパーSUVをコーディネートするには、費用対効果を超越したハートが必要だと知った。

イザとなれば砂漠でも走れる程度に程よく車高を落として、足もとに投入したホイールはアメリカン鍛造ホイールブランドであるアージオ・プレシジョーネが手がけた。ウルス界に限らず頂点を極めたSUV勢には定番となる24インチで、ブラッシュドのみのスポーティな装いとした。アージオの品質をリスペクトし、あえて削り出しの質感を残した格好だ。ボディはいかようにでも切ったり塗ったり張ったりするけれど、ホイールは最大限にリスペクトする。この辺りのあんばいがいい。

アクセルを踏めば、クライスジークの手によって調律された図太くも気高いサウンドが、闇夜に響き渡る。もちろん、ドライビングスキルと世間の声さえ許せば、その動力性能を存分に堪能できる仕上げだ。見せかけだけのショーモデルに終始しないクルマ作りこそ、エスアンドカンパニーの真骨頂である。費用対効果としてはナンセンスと言われようとも、ひたすら最高峰のカスタムを提案し続ける。この男気を理解する富裕層だけが、この特別なスーパーSUVを転がせる。

「やっぱりお金持ってないと、できんよな」と、同社の代表である鹿田能規氏は笑う。輸入車は特別な存在で、それに手を加えるだなんて神への冒涜だと、昭和の時代からじっくりとカスタムに取り組んできた男のご名答である。今や輸入車であっても車種や程度を問わなければものすごく手軽になり、カスタムに費用対効果を持ち込む人が大半となった。総じて世の中が賢く堅実になったことは成熟した証し。しかし、だからこそ「ぶっ飛んだスパイス」が必要だと感じて、彼はこうしたカスタムに手を出す。冒頭で触れた「不景気に風穴をあける希望のような存在」と記したのはこういうこと。好きか嫌いかはどうでもいい。気持ちいいほどやりきったカスタムカー文化は世の中にやっぱり必要だ。その根性と、飽くなきカスタム愛があれば、まだまだ日本は元気になれるような気がした。

 

 

ノヴィテック・トラドのワイドボディキットに、ビビッドなグリーンラッピング。闇夜でもその存在感は隠し切れない。

 

アージオ・プレシジョーネの24インチを装着し、iiDのロワリングキットによって絶妙にローダウンした。

 

拡張されたフェンダーにピタリと一致するように、前後295/30R24サイズのトーヨー・プロクセスS/TⅢを装着。北米市場に向けたピックアップトラック&SUV向けオールシーズンタイヤである。

 

パワートレインはノーマル。排気系のみクライスジークのエキゾーストシステムが装着される。ボディカラーはグリーンの印象が色濃いものの、エアロのラインに沿って差し色っぽく赤いラインが入っていたりときめ細かい。近くで見てもラッピング感はない。写真からは判別できないが、インテリアもグリーン×ブラックで統一されていた。

Lamborghini Urus 2020年式|ホイール:アージオ・プレシジョーネ NKT(F&R:24×11.0)|タイヤ:トーヨー・プロクセスS/T III(F&R:295/30R24)|足まわり:ノヴィテック・サスペンションモジュール、iiD・ロワリングキット|ボディパーツ:ノビテック・エステソ ボディキット(ワイドバージョン)|吸排気:クライスジーク

 

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問い合わせ/エスアンドカンパニー ☎06-6992-0003 www.s-company.jp

 

掲載:Premium SUV Stylebook.2021 2021年3月31日発売(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

 

photo_伊勢馬場建次 ISEBABA KENJI

text_中三川大地 NAKAMIGAWA DAICHI