GTボディ、公道を舞う。|first|Mercedes-AMG GT S

ドレスアップの世界では、ワイドボディの流行が 相変わらず猛威を振るい続けているが、 その流れをAMG GT Sに落とし込んだ1台が、 埼玉・ファーストの手によってローンチされた。 ひと皮むけて野生味を増した姿に、 だれもが振り返らずにはいられない。


戦闘態勢。そんなフレーズが 似合うワイドボディの功。

時は2014年。メルセデス2ドアスポーツの頂点は、それまでのSLS AMGからAMG GTへの王位継承を図る。車格的にはポルシェ911と同格になり、3982ccのV8ツインターボエンジンはベーシックなGTに460psを、上級グレードのGT Sに510psのパワーを供与。プライスレンジも下がるとなれば、普及スピードが急加速していくハズ……と、だれもがメルセデススポーツ王国の復権を夢に見たに違いない。だが、どうも何かが足りなかったようで、AMG GTは未だブレイクせずにくすぶっていると言えなくもないのが現実だ。
そんな市場に喝を入れる1台が名乗りを上げた。埼玉のプロショップ「ファースト」が手がけたAMG GT Sだ。まずキャッチーに目を奪うのが、当世の流儀にならったワイドボディキットだろう。ポーランドのCARBONERREというメーカーの商品で、気になる出幅は片側約90㎜増。全体では1939㎜の全幅が、2120㎜にまで広がることになる。さらにキットにはフロントバンパー、カナード、GTウイング、リアディフューザーまで含まれており、トータルバランスに優れたスタイリングを提供してくれるのだ。素材にはFRPを使用し、厚みをある程度持たせていることから、強度的な問題が浮き彫りとなることはなく、エッジを際立たせる効果も良好だ。
キットを組んだ立ち姿を見て、このクルマに足りなかったのは“振り切るほどの我の強さ”だったのでは? と思えた。よく言えばAMG GTのスマートなシルエットは、悪く言えばアクが足りないことのウラ返し。その事実を的確にフォローし、まるでバブル期のケーニッヒやゲンバラのような圧倒的インパクトをボディに刻み込むのだから、純正フェンダーをカットする価値はある。また、同店スタッフの田村さんによると、ワイドトレッド化は走りにも多大な影響を与えるようで、「一度FSWを走りましたが、コーナーでの安定感がかなり向上しました」とのこと。さすがレースから生まれたアイデアだけあって、見た目専門のパーツではないことも証明する。
そしてファーストは、キットを組むだけでは満足などしない。マットカーキのラッピングを施し、BCフォージドの19&20インチホイールを組み込むことで精悍さに拍車をかけ、エンジンにもオリジナルパーツを仕込んで700ps以上の数値を確保してきた。さあ、ここからAMG GTのモディファイは格段に面白くなる!


巨大なGTウイングや左右の大型ダクト、リアディフューザー、スモーク加工されたレンズなどにより、リアからの眺めも通常のGT Sとは雲泥の差に。

ワイドフェンダーは片側約90㎜の出幅をもたらす。純正フェンダーをカットするリスクが伴うが、それ以上の満足感が得られるのも事実。公認車検取得可。



ECUの書き換え、ダウンパイプやブローオフバルブなどの交換を行い、+約200psとなる700ps以上の出力を獲得す。走りの面でも獰猛間違いなし。

BCフォージドのTD-02ホイールはフロント19/リア20インチ。詳細は伏せられているが、リアには12.5Jマイナスオフセットが組まれるらしい。

スポーツラインのLEDインジケーターステアリングを採用。回転数に応じて左右のLEDが点灯し、中央のモニターには速度や回転数などを表示できる。

MODIFICATIONS|ホイール:BCフォージド TD-02(F19インチ R20インチ)|タイヤ:ミシュラン パイロットスポーツカップ2(F275/35R19 R325/30R20)|サスペンション:H&R ダウンサス|チューニング:スポーツライン ECU/ダウンパイプ/ブローオフバルブ サウンドアダプター|エクステリア:CARBONERRE ワイドボディキット、GTRプロフロントバンパー、カーキカラーラッピング、スモークテールレンズ|インテリア:スポーツライン LEDインジケーターステアリング

 

 

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掲載:Mercedes Stylebook. 2021年8月30日発売(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

問い合わせ/ファースト ☎048-979-5656 first-inp.co.jp

photo_本間章吾 HOMMA SHOGO
text_佐藤アキオ SATO AKIO(rsf)