それは、クラフトマンシップの結実。|DESIGN WORKS|Mercedes-AMG GT C Roadster

プリウス用ボディキットからはじまったデザインワークスはAMG GTシリーズ用ワイドボディキットをひっさげて欧州車モディファイシーンに殴り込む。デザインワークへの情熱が生んだ造形美は必見。


オリジナルを徹底的に解析し新たな価値観を創出する。

「オリジナルのデザインを生かす」とは、今どきのエアロメーカーが口をそろえる、いわば決まり文句のひとつだが、このポリシーを貫くブランドは一体どれだけあるだろう。すらりと伸びたロングノーズ、2座が後方へと追いやられたシルエット……その美しさを表現しようとするだけでもホネが折れる。AMG GTはメルセデスのなかでもとりわけデザイン性に長けたモデルなのだ。ましてやデザインワークスが手がけるのは、大胆にもワイドボディキットである。しかし、目の前にAMG GT Cロードスターが現れたとき、懸念は杞憂へと変わった。GT R譲りのグラマラスなフェンダーはキットによりワイド化されているが、決してその迫力だけに頼ることはなく、全体のバランスが抜群だったからだ。細部のカーボンがスパルタンな表情を漂わせながら、ロードスターらしいエレガントさに磨きをかけている。
実はこのGT Cロードスターは、AMG GTシリーズ用プログラムの第2弾であり、前作AMG GTからクレイモデルを使った研究開発に取り組んでいる。AMG GTシリーズは、シルエットばかりに目が奪われがちだが、例えばドアパネルひとつとっても、フロントフェンダーから続く複数のキャラクターラインがわずかながら、でも確かな抑揚を生み出している。したがって、さまざまな角度から光を当てることで、ボディのあらゆる面で、いくつもの表情を見せるそうだ。クレイモデルを用いるのは、こうしたキャラクターラインの1本1本に向き合うためだ。メーカーのデザイナーがそこにラインを与えた意図を解釈し、エアロの造形へとつなげていくことで、オリジナルとの調和を図りながら、独創的な意匠が生み出される。こうした妥協を許さない姿勢は、部品点数を24ピースにまで細分化させた。代表の福本氏によれば、セクションごとの販売も可能だが、このプログラムは空力性能まで考慮していることもあり、やはりコンプリートでの装着が前提だ。すなわち名称もパフォーマンスアップ“フルボディキット”というわけだ。
AMG GTシリーズ用プログラムの開発期間は、延べ3年以上にも及ぶ。事実、気が遠くなる作業の連続であり、その原動力は“デザインワーク”にかける情熱に他ならない。この情熱をもってデザインワークスはさらなる発展を遂げるだろう。そのときはエアロメーカーではなく、敬意を込めてコーチビルダーと呼びたい。それは遠くない未来だと思う。

 


フロントはいくつものラインが折り重なったように構成され、精悍かつスポーティーな装い。バンパーエンドには翼端板が、フェンダーにはエアロフィンがあしらわれる。


サイドステップのフロント側は、フェンダーからの繋がりをもたせつつ、ダクトをレイアウト。別体のカーボンパーツにより、実サイズ以上の立体感と奥行き感を生み出す。

サイドステップのフロント側は、フェンダーからの繋がりをもたせつつ、ダクトをレイアウト。別体のカーボンパーツにより、実サイズ以上の立体感と奥行き感を生み出す。

リアフェンダーのテール側には、別体カーボンパーツで、スポーティーな造形を取り入れる。リアが+30㎜、フロントは+20㎜(片側のみ)のボリュームアップとなる。

オリジナルの丸みのあるシルエット生かし、曲線を多用した造形。バックフォグ下には、別体スポイラーを、両サイドにはフロントからの流れを汲む翼端板をレイアウトした。


ホイールはHRE・RS309(F20×9.5 R21×12.0)をセット。フィニッシュはブラッシュドゴールドで、ロードスターの持つエレガントな雰囲気とベストマッチ。

PRICE LIST
パフォーマンスアップフルボディキット 253万円

Mercedes Stylebook.

価格:2000円
お求めは全国の書店、Amazonにて!
掲載:Mercedes Stylebook. 2021年8月30日発売(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

問い合わせ/デザインワークス ☎0742-23-6080 amggt.designworks.jpn.com

photo_浦野浩之 URANO HIROYUKI