カッコいいからに決まっている。|ASTON MARTIN DBX

 

007に登場するのも、我々が心惹かれてやまないのも
すべては、カッコいいからに決まっている。アストンマーティンのカッコよさの源泉とは一体なにか?
ブランド初のSUV、DBXでも確かに感じ取ることはできた。

 

ハンドリングの正確さは、まさにスポーツカーである。

 

 

デパートのガラスケースの中に展示されているダイキャスト製のミニチュアカーの1台が欲しくてたまらなくなった。当時中学生だった筆者はそれをどうしても欲しくて親に懇願し何とか手に入れた。それがアストンマーティンDB5である。

他のモデルと比べて桁違いにカッコ良かった。筆者にとってアストンマーティンは今でもカッコいいクルマの筆頭に挙げられる。映画007に採用されたのもカッコいいからに決まっている。単にカッコいいというよりもっと奥が深い美しさがあることを中学生のときに気づいていた。それは曲線の美しさだ。絵を描くだけならできるかもしれないが、実物のクルマとして美しさを表現するのは難しいはずだ。イギリスのエンジニアとコーチビルダーの芸術作品なのだ。

そのアストンマーティンがDBXというSUVを作った。一体どんなSUVなのかが気になっていた。そして今回念願かなってやっと試乗することができた。

実物を目の前にしてもカッコよさ、美しさはアストンマーティンに間違いなかった。ラジエーターグリルは下側が広めになった柔らかいカーブで描かれ、約70年前のDB2プロトタイプからの伝統を引き継いでいる。グリルの形状に合わせてボンネットもヘッドライトの脇が削られ、その両脇は筋肉のようにたくましく盛り上がる。

フロントは285/40R22 110YXL、リアは325/35R22 114YXLというサイズの大径のピレリPゼロによって、横から見るスタイルはスポーツカーそのものに見える。SUVというともっと背が高いからちょっと違うという印象だ。

それは3060㎜という長いホイールベースの上に、全長5039㎜、全幅1998㎜、全高1680㎜サイズのボディが載るからだ。全長と全幅だけ見ると巨体だが、サイズの割には全高が低めなので、新しいカテゴリーのクルマに見える。そして実際に乗り降りがしやすいのにも驚いた。のぼって座る感じが多いSUVの中にあって、乗員に優しいモデルだ。

車重は2245㎏と決して軽くはないが、大型SUVの中では軽量ボディといえる。走り出すとクルマの大きさも重量もまったく気にならなくなる。小型のスポーツカーを操っているかのような錯覚に陥る。4・0ℓのV型8気筒エンジンは、405kW(550

ps)/6500rpm、700Nm/2200ー5000rpmというパワーとトルクを発揮できる。0ー100㎞/hが4・5秒、最高速度291㎞/hとカタログにある。

ステアリング操作に対しダイレクトで軽快な動きができるのは、ボディ剛性の高さが効いている。ボンネットを開けると左右のストラットタワーをつなぐバーだけでなく、タワーとバルクヘッドと3点で止めるレインフォースメントまで備えている。剛性感は十分だ。ステアリング応答性はシャープ過ぎず扱いやすく、長距離ドライブにも適している。

サスペンションはアダプティブ・トリプルチャンバー・エアサスペンションを備え、走る場所と荷物積載時などにより地上高を最大45㎜上昇させたり、最大55㎜下降させることもできる。

電子制御式アクティブ・アンチロール・コントロールは48Vで作動し、非常にうまく働いている。オンロードだけでなく本格的にオフロードも走ることができるのもDBXの特徴だ。オフロードでサスペンションの動きを最大にしたいときには、電制なのでスタビライザー効果をなくすこともできる。

アストンマーティンDBXは期待を大きく上回るクルマだった。室内も豪華というだけでなく最高級の仕上がりだった。富裕層にはお薦めの1台だ。

インテリアは、上質なレザー、ウッドパネルに自動車用ファブリックとしてははじめて採用されたという80%の天然ウールを組み合わせて仕立てられている。パワーユニットはAMG製4.0ℓV8ツインターボ。DBSスーパーレッジェーラと同等の性能を持つブレーキを装備しており、全身くまなくスポーツカーなのである。

ASTON MARTIN DBX|全長×全幅×全高:5039×2050×1680mm|ホイールベース:3060mm|車両重量:2245kg|エンジン:V8DOHC32Vツインターボ|総排気量:3982cc|最高出力:405kW(550ps)/6500rpm|最大トルク:700Nm(71.4kgm)/2200-5000rpm|トランスミッション:9速オートマチック|駆動方式:4WD|サスペンション:ⒻダブルウィッシュボーンⓇマルチリンク|ブレーキ:ⒻベンチレーテッドディスクⓇトーションビーム|タイヤサイズ:Ⓕ285/40R22Ⓡ325/32R22|車両価格:2299万5000円

 

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問い合わせ/Aston Martin Japan Limited TEL:03-5797-7281 www.astonmartin.com
掲載:Premium SUV Stylebook.2021 2021年3月31日発売(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)
photo_中島仁菜 NAKAJIMA NINA
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