伝統と革新とが融合し、新しい伝説が幕を開けた。|911 Carrera (Type 992)|Y-squared

名門、カーグラフィックを生かしながら己の理想像を最新の911に投入する。 佐々木孝太選手とのコラボを含めて、今、ノリにノッている気鋭チューナー。 ワイスクエアードの技術力と、熱いポルシェ愛を感じさせる1台が走り始めた。

伝統と革新とが融合し、新しい伝説が幕を開けた。

 

992型ポルシェ911が徐々に日本のストリートに姿を現し始めた。これからカスタムシーンも旬を迎える前夜とも言うべきタイミングの中で、心血注いで開発に明け暮れるブランドがいた。まだ発足して3年あまりのワイスクエアードである。

ポルシェだけを見据えた活動をしながらにして、今までポルシェの王道的存在である911を触ってこなかったところに彼らの個性がある。ボクスター&ケイマンのプログラムに始まり、クアッドスターとコラボする格好で生まれたマカンやカイエンなど。唯我独尊、いつも彼らは911以外のポルシェで己の世界観を築き上げていった。

主にボディパーツから始まったのには理由がある。彼らの母体はドイツの大御所チューナーにしてレーシングチームであるカーグラフィックのインポーターを務めていた。カーグラフィックが提供する機能部品を最大限にリスペクトし、その性能を底上げしたいと、寄り添うかたちでボディパーツを生み出したのだ。単なるドレスアップではない。彼らのブランドは、高品質かつエアロダイナミクス性能に優れたボディパーツを絶対としてきた。近年の新型車開発の現場で率先して採用されるようになったボルテックスジェネレーター(乱流発生装置)の考え方を随所に取り入れ、空気抵抗を低減させる。その上でリアウイングやディフューザーなどを使って、適正なダウンフォースを出す考え方だ。

そうした意味では満を持して登場という言葉がふさわしい。今年になって992型911カレラのコンプリートカーという、ど直球勝負を仕掛けてきた。解析を駆使したボディパーツが次々と完成を迎え、さらにはオリジナルのサスペンション開発にも挑んだ。ホイールはもちろんカーグラフィック製(パフォーマンス18)だ。

サスペンションの開発に関しては、ブランドのアドバイザーであるレーシングドライバーの佐々木孝太選手が担う。今年、ワイスクエードはショールームをオープンさせており、そこでは佐々木選手が実車やドライビングシミュレーターを使って、ユーザーへ運転やセッティングの指南を実施している。そうしたインフラのもとでひとつの理想像を描くのが今回の992カレラであり、今後はあらゆるシチュエーションでセッティングを詰めていく。

狙いは単なるレーシングカーではない。ストリートでは上質なグランツーリスモとして機能させ、時にサーキットドライブも楽しめるような仕上げを目指して創意開発中だという。佐々木選手を含む彼らなりのベストアンサーを導き出すだろうが、車高調としての幅の広さも設けるから、ユーザー固有の好みや仕様に応じたセッティングへと導くことも可能になるはずだ。  ポルシェ界の王道へと挑戦しながら、それでもワイスクエアードを最大の敬意を込めて異端児だと言いたい。

今後はタイカンなどの電気自動車も開発を検討している。電気自動車のレーシングカーがあっても面白い、というから俄然興味が湧く。彼らが異端児にして大御所と呼ばれるようになる日は、すぐそこまで来ているのかもしれない。

 

 

ポルシェに特化したボディパーツブランドとして産声をあげたワイスクエアード。今年3月、横浜にショールーム兼ファクトリーをオープンさせ、活動の幅がさらに拡がった。

 

前後のスポイラーにサイドステップはシャープな造形で、どことなくレーシングカーっぽい印象が漂う。独特の形状を持つリアウイングが強烈なダウンフォースを発揮する。今後はダックテールタイプのスポイラーも登場する予定だ。すべての素材は大理石のような模様を持つクラッシュカーボンで、他にFRPも用意される。現在、サスペンション(車高調)やエキゾーストシステムも開発中だという。

 

センターキャップのダミーロックピンが特徴的なカーグラフィック製「パフォーマンス18」。軽さに定評のある1ピース鍛造ホイールだ。フロント20インチ×8.5、リア21インチ×11.0で、それぞれ235/35ZR20、295/30ZR21のファルケン・アゼニスFK510が装着されていた。

 

インテリアは純正をキープする。GT3系よりも普段使いを難なくこなせて、その気になればサーキットでもめっぽう速い。そんなチューニングカーを目指して開発している。

 

TEST DRIVER >> 佐々木孝太

SUPER GTやスーパー耐久で活躍しながら、ニュル24時間の参戦経験も豊富なレーシングドライバー。ワイスクエアードのアドバイザーを務めセッティングに携わっている。@kota339.official

 

PARTS LIST
フロントリップスポイラー     CCFRP 22万円/CFRP 19万8000円/FRP 15万2000円
サイドステップ(左右セット)      CCFRP 24万8000円/CFRP 21万8000円/FRP 16万2000円
リアスポイラー          CCFRP 22万円/CFRP 19万8000円/FRP 15万2000円
リアウイング           近日発表
ダックテール           近日発表

 

 

eS4 No.93

 

価格:1400円
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掲載:eS4 No.93 2021年6月10日発売(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)
<問い合わせ>
CALL>>Y-squared(ワイスクエアード) TEL:045-577-0257 www.y-squared.jp

PHOTO>>MOTOSUKE FUJII(藤井元輔/サルーテ) 
TEXT>>DAICHI NAKAMIGAWA(中三川大地)