サーキットから銀座に直行する人へ。|KW Version-4

あらゆるシチュエーションで 安心できるサスペンション。

 

豪雨の中をまるで水を得た魚のようにM8クーペ・コンペティションが駆けぬける。駆動方式こそAWDになったが、スーパーカーに匹敵する625psもの出力性能に、2t近い車両重量にと、ひと昔前の技術なら、雨の中なんて踏めたもんじゃないパッケージだった。

進化した電子制御技術の賜物であることは間違いない。しかし、それでもその怖さを知らない者が不躾に接したら、途端に牙を剥くはずだ。だからこそ、新型コロナ禍において人間とは距離を取っても、クルマとのコミュニケーションはより密にしておきたい。身体に伝わる情報量に長けていて、自分の意思を反映させることのできるサスペンションシステムがあれば鬼に金棒である。

そこでKWバージョン4に頼る。KWのストリート用の柱を紐解くと、減衰力固定式のバージョン1に始まり、伸び側16段階調整のバージョン2、伸び側16段階、縮み側12段階のバージョン3があった。その上でバージョン4は、クラブスポーツやコンペティションといったモータースポーツユースの技術を投影した3ウェイ方式を採用する。具体的には伸び側16段階、縮み側の低速6段階、高速14段階の調整幅を持つ。もちろんKW側が7ポストリグでシミュレーションし、テストドライバーが走り込んで得た推奨セッティングが提供される。

まずはこの推奨セッティングで走ってみるべきだ。その上で腕に覚えのある人は、または飽くなき探究心を持つ人は、クルマの仕様や乗り方に合わせて奥深いセッティング道を究めていきたい。サーキットへと通いラップタイムを詰めてもよし、走りの気持ちよさとラグジュアリーな雰囲気を両立させてもよし。カスタムやサーキットアタックで攻めに攻めずとも、バージョン4でカーライフの楽しさは拡がる。

サーキットアタックなら、詰めに詰めた結果として、最終的にセッティングの回答はひとつかもしれない。しかし、ストリートではシチュエーションごとにあらゆる回答があっていい。組み合わせるホイールやタイヤの銘柄、サイズはもちろん、その気になればその日の気分で減衰力を変えてもいい。

ここで注目したいのは、バージョン4が持つ資質である。3ウェイ構造を採用するがゆえ、ダンパーの内部にあるバルブ構造に、非常に高品質かつ凝ったものが採用されている。このバルブやシムなどがもたらす乗り味が抜群によく、セッティングツール云々の前に、とても上質な乗り味を提供してくれる。ステアリングをわずかに切ってコーナーを駆け抜けて行く際の上質なフィーリングにはうっとりするほど。その上でクルマが今、どう動いているか。タイヤはグリップしているか。といった情報をつぶさに伝えてくる。冒頭に挙げたウエットコンディションであっても安心していられるのは、この伝達力にある。決してバージョン4は「いつ何時も安心して踏める」ような魔法のアイテムではない。むしろ、危ないシチュエーションは危ないのだと、ドライバーに伝えてくれる伝道師だ。そのうえでセッティングの幅広さで、ユーザーの努力に同調して少しでも踏めるように誘ってくれるアイテムでもある。これならドライビングスキル向上に役立つばかりか、長距離でもストレスフリーで疲労軽減につながる。ニュル24時間で結果を残すためには、少しでもドライバーの疲労を軽減させなければならない。一発が速いだけでは決して勝てないどころか、完走すらできないだろう。だからこそKWが求められるのだ。ニュル24時間で随一の装着率を誇ることが、バージョン4を通して伝わってくる。

3ウェイだからといって、ガチガチのレーシングスペックではない。むしろ、サーキットからストリートまで、多種多様なニーズを満足させる必要のあるM8クーペ・コンペティションのような存在にこそ、バージョン4が似合うと思えた。

 

純正ホイールでタイヤサイズも純正と同じ。その上でバージョン4でセッティングする。他に手を加えたのはオリジナルのエキゾーストやグランクーペコンセプトをオマージュしたバンパーなど。見た目はほぼ純正なのに裏地に凝る玄人気質が宿る。

BMW M8クーペ コンペティション|タイヤ:ミシュラン・パイロットスポーツ4S(F:275/35R20 R:285/35R20)|サスペンション:KW・Ver.4|吸排気:ワンオフマフラー|ボディパーツ:ワンオフフロントバンパー|問い合わせ/スタディ横浜 ☎045-476-3181 www.studie.jp/shop/yokohama

 

 

 

 

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問い合わせ/KWオートモーティブジャパン ☎075-771-7351 www.kwsuspensions.jp

掲載:BMW STYLEBOOK. 2020年12月7日発売(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo_山本佳吾 YAMAMOTO KEIGO

text_中三川大地 NAKAMIGAWA DAICHI